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ようやく後半に入ってきました。
今回は、失恋後の日記です。
もはや日記じゃなくてモノローグと化してるかもしれませんが……(汗)
--------------クロードの日記⑤
最近、「雰囲気が変わった」って言われることが多くなった気がする。
確かにそうかもしれない。自分でも、以前に比べて落ち着きが増したというか、心に少し余裕ができたような気がする。人間に見えないものを見たり、人間には行けない所に行ったり、そういう経験の積み重ねからってこともあるかもしれないが、これは多分、失恋したことがきっかけなんだろうなって、自分では思ってる。
アンジュに好きな相手がいたのを知って、辛くなかったと言えば嘘になる。でも、あの時の俺は、そんな気持ち
よりも、打ちひしがれたアンジュが自分の言葉で立ち上がってくれた、その喜びの方が大きかったんだ。ナザムの森でアンジュと話した後、自分でも驚くくらい、俺は穏やかな気持ちになっていた。
……そして、こう思うようになった。
隣に立つことができないなら、背中を守ればいい。
アンジュの気持ちが自分に向けられることは、決してない。恋人にもなれないし、隣に立つこともできない。けれど、そばにいられなくなるわけじゃないんだ。例え特別な一人になれなくたって……俺は俺にしかできないやり方で、あいつを支えていける。
それであいつが笑顔になってくれたら、それだけで、俺はきっと「アンジュを好きになってよかった」って思えるんだ。
そんな風に自分の中で結論が出てから、気持ちに区切りがついて、焦りも迷いもなくなった。吹っ切れた、っていうやつだな。
アンジュの方は、今でも時々不安な気持ちになることがあるみたいだ。特に野営の夜、焚き火の前でため息をついていることが多い。好きな相手が敵方に回ったんだ、無理もないな。
そういう時、決まって俺は「信じ続けろ」って言うようにしている。
身近にいた人や、大切な人が突然立場を変えてしまった時の辛さは、俺もよく知っているつもりだ。何を信じていいのかわからなくなったり、人間がひどく恐ろしい存在に思えたこともあった。けれど、そんな時に教えられた「信じることを、諦めないでくれ」――この言葉に、俺は今まで支えられてきた。この言葉があったからこそ、俺は今こうしてここにいられるんだ。
だからあいつにも、信じる心を持っていて欲しいと俺は思っている。それに、俺自身も信じていたい。あの人の心は、まだアンジュと共にあると。そうじゃないと、殴りがいがないからな。
正直なところ、この先何が待っているのか全く想像できないが……何が起きようとも、俺はアンジュを支えられる存在でありたいと思う。
少しでも、アンジュが笑顔でいられるように。
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すみません、今回も短いです。(汗)
最初は失恋直後の日記にしようかと思ったのですが、その時の心境は既に「見えない星」で書いているので、何日かたった後の日記となりました。時期としてはドミールの前あたりでしょうか。
そしてクロードの過去にもちょっと触れてみました。いつかこれも詳しく書けたらいいな。