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だんだんラストに近づいてきましたよ。








今回は、最終決戦直前の日記です。




















--------------クロードの日記⑥













……こんなのって、ありかよ。
そう思わずにはいられないことの、連続だった。

アンジュがずっと、必死になって捜し続けてきたあの人に、やっとたどり着いた、やっと会えたと思ったのに――あの人の命は消えてしまった。あまりにもあっけなく。何も伝えられないまま。
それどころか、あの人が天使界を裏切ったふりをしてまで助け出そうとしていた人――エルギオスは、天使としての心を失い、全てを憎む堕天使と化してしまっていた。そして、天使であるアンジュが理を破ってエルギオスと戦うには、女神の果実を食べて人間にならなければならない。

好きな相手を失って、その上あの人の師を倒さなければならず、故郷に戻ることもできなくなるかもしれない。……アンジュが、辛くないわけがないだろうな。運命ってもんがあるなら、そいつを憎みたいと思った。

……けれど、やっぱりあいつは強かった。
一度地上に戻って状況を確認したその時、アンジュは既に、人間になってエルギオスと戦う覚悟を決めていた。
「エルギオスを救う」という、あの人の最後の願いを叶えたい。そのために戦いたい。世界を、人間を第一に考えられない自分は、天使でいてもしょうがない。
泣きはらした顔で小さく微笑んだアンジュを見て俺は、お前の決意を無駄にはしない、何があっても俺は一緒に戦おうと告げた。
サティもメルも、俺と同じ気持ちなんだろうと思っていた。

だが思いがけないことに、サティが異を唱えた。エルギオスと戦うことを、頑なに拒んだんだ。

迂闊だった。サティ達の気持ちを、俺はちっとも考えていなかった。二人の過去も、とっくに聞いていたっていうのに。
アンジュにとっては師匠の師匠であるとはいっても、俺とアンジュから見れば、エルギオスは全く面識のない相手になる。けれど、二人にとってエルギオスは命の恩人で、家族同然の存在だったんだよな。
特にサティはエルギオスのことを強く慕っていたみたいだし……そんな相手と戦うなんてできないって思うのは、当然のことだ。
結局サティは泣きながら飛び出してしまって、そのまま戻ってきていない。

サティがいなくなってから、メルにも今の気持ちを聞いたが、サティに比べて、メルはあまり動揺していなかったのに少し驚いた。
戦いたくないって思わないのか、って聞いたら、あの人にこれ以上罪を重ねさせないことが、自分たちの役目だと思うから、って言われた。
確かに、そうかもしれない。
付け加えて、サティにとってはあの人が大事なのかもしれないけど、自分にとって一番大事なのはサティだから、サティを守るためならどんな相手とだって戦う、とも言われた。……多分、こっちが本音なんだろうな。でもその正直な気持ち、俺は嫌いじゃないな。

そんな話をして、今さっき、メルがサティを捜しに行った。
時間がかかるかもしれないが……メルの気持ちが伝われば、サティもきっと、戻ってきてくれるはずだ。

今は、二人の心を信じよう。
そして、みんな揃って最後の戦いに行けることを祈ろう。











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今回はわりとサティとメルの話がメインになったかも。ちょいネタバレ。
二人の過去は、ラテーナからエルギオスの話を聞いた辺りで明かされているということになってます。
更新が滞ってばかりですが、過去の話はきっちり書くつもりでいますので(汗)

メルはなんだかんだ言って、サティを大事に思ってるんですよ。




 

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