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完結!!
なんとか今月中には間に合いました(汗)
最後は、エンディング直後の日記です。
--------------クロードの日記⑦
最後の戦いが、終わった。
エルギオスは天使の姿に戻って、ラテーナと一緒に天へ昇っていった。それと同時に天使達も役目を終え、星になって空へ還った。
俺たちはセレシア様に別れを告げて、吹雪のように星が舞う空を見ながら、天の箱舟で地上へと戻っていった。
箱舟から降りたその時にはもう、サンディとアギロさんの姿はほとんど見えなくなっていた。アンジュが食べた女神の果実の力が俺たちにまで及んでいたのか、天使界がなくなったことで俺たちの力も消えようとしていたのか……実際の所はわからないが、とにかく、俺たちの「天使の目」が使えるのも、ここまでだったようだ。
正直なところ、名残惜しい気持ちでいっぱいだったけど、二人ともここで別れなくちゃいけない。別れの挨拶を交わした後、俺たちは箱舟が見えなくなるまで見送っていた。
……そういえば、サンディの泣いてる顔見たの、初めてだったな。それだけあいつにとって、アンジュは大事な友達だったんだろうな。
全てが見えなくなって、何となく空を仰いだら、今までよりもずっと高く遠く、透き通って見えた。
アンジュもサティもメルも、この旅の中でたくさんのものを失ったんだろう。天使界やそこに住まう天使達、人間には見えないものを見る力、自分にとって、とても大切な存在――失ったものの重さは、計り知れない。
けれど、それと同時に得たものもたくさんあると、俺は信じたい。
アンジュは、あの人への思いを胸に灯すことで、揺るぎない心の強さを手に入れた。
サティとメルは、最後の最後に、エルギオスに自分たちのことを思い出させることができた。きっと、最大の恩返しになっただろう。
それに、旅の途中で出会った人たちとの絆や数えきれない思い出、何より今ここにいる、仲間という存在。
心に抱いて生きていけば、きっと、失った分まで、いや、それ以上に幸せを感じることができると思うんだ。
……まあ、ただの人間で、みんな程失ったものが重くない俺がこんなこと言うのは、おこがましいかもしれないけどな。
これからは、この地上を守るための旅が始まる。
パーティを抜けたいって言う奴は誰一人としていなかった。アンジュはそれに少し驚いてたみたいだったが、俺たちは四人で地上の守り人だろ、と言ったら、ありがとう、と小さく笑った。
目的地も何もないけれど、歩き続けていたら必ず何かに出会うだろう。そこからまた、道をつなげていけばいいんだ。
……もしかしたら、ここからが本当の旅の始まりなのかもしれない。
さて、明日も早いし、そろそろ寝るとするか。
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まあ、このすぐ後にまた色々見えるようになるんですけども(笑)
ちなみにうちのアンジュは、天使界消滅について、あまり否定的な気持ちを持っていません。
「役目を終えた天使達には、天使界は狭すぎる。自分たちに地上があるように、天使達にはきっと星空の世界がある」「みんなは星になったけど、死んだわけじゃない。きっと心は在り続けるはず。空を見上げれば、いつだってみんなそこにいる」というのが彼女の気持ち。
セレシア様に対しても、「天使を生み出すきっかけを作ってくれたことに対する感謝」という気持ちが大きいので、けっこう好意的です。