眠れない夜に（タカ不二）

ブログ時代からのサルベージその１。初めて書いたタカ不二SSです。
長いことSSを書いていなかったのでリハビリ、ということで会話文のみの話になってます。


まずは二人のキャラをちゃんと掴もう……と思っていたのに、結局かなりキャラが変わってしまっている予感。

--------------眠れない夜に










『もしもし？』
『もしもしタカさん？　僕だけど』
『不二？　どうしたの、こんな時間に』
『あ、ごめんね……もしかして寝てた？』
『いや、俺は今やっと宿題が終わったところなんだよ』
『ホント？』
『うん。店の手伝いが、思ったより長引いちゃってさ』
『それなら良かった。安心したよ』
『でもびっくりしたよ、こんな夜遅くに不二から電話が来るなんて』
『うん……僕も、こんな時間に電話したら迷惑かなって、思ったんだけど……』
『……不二』
『なに？』
『もしかして、眠れないの？』
『……やっぱり、タカさんにはわかっちゃうんだね』
『思い出したんだ。今夜は家にお母さんもお姉さんもいないんだって不二が言ってたこと』
『本当は、裕太が帰ってくるはずだったんだけどね』
『裕太が？』
『うん。でも、緊急のミーティングがあるとかで、帰ってこられなくなっちゃったんだ』
『そっか。それで今、家に一人なんだね？』
『そうなんだ。……だからってわけじゃないとは思うんだけど』
『うん』
『寝ようと思っても、なかなか眠れなくて』
『……うん』
『そしたら急に、タカさんの声が聞きたくなったんだ』
『……』
『……タカさん？』
『ごめん、不二』
『えっ、タカさん！？　なんで謝るの！？』
『こんな時に傍にいられなくて、ごめん』
『そんな……タカさんが謝ることじゃないよ。むしろ謝るのは、いきなり電話をした僕の方だよ』
『でも俺、不二を一人にさせたり、不二に寂しい思いをさせるのはやっぱり嫌なんだ。だから、今不二の傍にいられない自分が悔しいんだよ、すごく』
『気にしないで、タカさん。タカさんには店の手伝いもあるんだし、それは仕方のないことだって僕もわかってるから』
『……代わりといっちゃ、なんだけどさ』
『代わり？』
『俺、電話でならずっと話していられるから。不二が眠れるようになるまで、いくらでも付き合ってあげるよ。もちろん今だけじゃなくて、俺の声が聞きたくなった時にはいつでも電話してくれていいし』
『タカさん』
『ん？』
『……ありがとう』
『不二が喜んでくれたなら、俺も嬉しいよ』
『やっぱりタカさんはすごいな』
『え？　すごいって？』
『ちょっと話しただけなのに、もう眠れそう』
『良かった。じゃあもう寝ようか？　お互いに』
『そうだね。それじゃ……』
『あ、ちょっと待って、不二』
『ん、なに？』
『明日の朝……不二の家に、迎えに行ってもいいかな』
『え？』
『あ、えっと、嫌だったら別にいいんだよ。俺が勝手に迎えに行きたいって思ってるだけだから』
『ううんっ！　そんなことない、すごく嬉しいよ！』
『本当に？』
『もちろんだよ。……タカさんとは、少しでも長く一緒にいたいし』
『わかった。じゃあ明日の朝にね』
『うん、待ってるよ』
『じゃあ、おやすみ、不二』
『おやすみ、タカさん。……また、明日ね』
















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ちょっと弱さのある不二、不二を守るタカさん。それがうちのタカ不二の基本。