好きなものを好きなように書き散らかす二次創作サイト。
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数年後、再びやぶれたせかいに突入しようとするヒカリ。
またもやアカギが出てきません。
次あたりでちゃんと二人に会話をさせたい。
ちなみに。
やぶれたせかいは時間も空間もない=時が流れない=アカギ年を取らない=アカヒカの年齢差は縮む!
というのが、私の理想。
--------------今、大地を蹴って
初めて姿を見たのは、湖のほとり。
自分よりも、隣の幼なじみよりもはるかに高いその視線、大きな歩幅、すれ違いざまに聞いた低い声、そのすべてに、
大人の男の人、というものを初めて強く意識した。
あの人は、あの時のことなんかもう覚えてないかもしれないけど。
初めて視線を合わせたのは、山の抜け道の中。
一人歩いていたわたしの前に、あの人は突然現れた。
世界の始まり。不完全な人々の心。そのために争いが起こり、醜くなる世界。
そんなことを一方的に話していったかと思うと、すぐに去っていってしまった。
正直、あの時のわたしは、彼の話の半分も理解できていなかったと思う。
話の内容なんて、どうでもよくて。
なぜ、私なのか。
なぜ、他の人ではなく、私に話したのか。
そんなことだけが、頭の中でぐるぐる回っていた。
初めて無力を知ったのは、時間も空間もない異世界。
自らの怒りを、憎しみを、憤りを嘆いて去っていったあの人の背中は、まるで迷子になって泣いている子どものように見えた。
その時初めて、わたしは気づいた。あの人の寂しさに。泣きたいほどの孤独に。
けれど気づいたときにはもう手遅れで、あの人は、わたしの手の届かない所へ消えてしまった。
このままここにいても、あの人が救われることはない。
それはわかっていた。
けれど、今の自分では、あの人を連れ戻すことはできない。
それもまた、事実だった。
そして、今。
わたしは再び、異世界への入り口に立っている。
いつか強い自分になって、必ずあの人を迎えに行く。ここでそう誓ってから、既に数年が経っていた。
あれから世界は変わらず、動き続けている。
幼なじみはわたしに勝つことを目標にして自分を鍛え続けているし、博士も研究に余念がない。お母さんも度々コンテストに出場しているし、残されたあの人の部下の人たちだって、新しい道を見つけて、歩き始めている。
事件が起こることもない。わたしの旅も、平和だ。
……けれど。
きっとあなただけは、あの時から動けずにいるはず。
わたしは、あなたを置き去りのままにはしたくない。
だから。
「……行かなくちゃ」
そこで待っていて。
今度こそ、あなたにたどり着いてみせるから。
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坂本真綾の「マメシバ」がアカヒカソングにしか聴こえなかった記念。
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