好きなものを好きなように書き散らかす二次創作サイト。
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アカヒカというか、ヒカリの片思い。
やぶれたせかいからの帰還時のイメージ。
SSにも満たない超短篇ですが、我が家のアカヒカはこんな感じですよ、ということで。
経緯は全然考えてませんが、いずれ再会させたいとは思ってます。
やぶれたせかいからの帰還時のイメージ。
SSにも満たない超短篇ですが、我が家のアカヒカはこんな感じですよ、ということで。
経緯は全然考えてませんが、いずれ再会させたいとは思ってます。
--------------Lingering attachment
確かに、あの人のしたことは許されないと思う。
けれど、わたしは。
ただの一度も、あの人を憎んだことはなかった。
世界を壊そうとするあの人と、それを止めようとするわたし。
わたしはあの人を追いかけて、あの人はわたしを待ち受けた。
言葉では止められなくて、何度も、何度も戦って。
そして、わたしは勝利した。世界は、守られた。
なのに、どうしても笑えない。
心が冷たくて、寂しくて、風が吹くだけで、泣いてしまいそうになる。
どうして今になって、気づいてしまったんだろう。
わたしが敵だと知っていながら野放しにしておいたり、
自分の行き先を教えたり、あまつさえ、自分の持ち物を譲ったり。
感情を殺したと言っておきながら、どこかに捨てきれない心を持っていて――時折、その隙間にある優しさや、寂しさを零れさせてしまう。
そんなあの人に、わたしはずっと惹かれ続けていたんだ。
世界を守りたいと思ったのは、嘘じゃない。
でも、そのためだけにあの人を追いかけたわけじゃない。
わたしは、あの人のことを知りたかった。
殺した心の奥に何を沈めたのか。その瞳は、どんな風に色を変えるのか。
何があの人に、憎しみを教えたのか。
あの人が笑えるためには、何が必要なのか。
もっともっと、知りたかった。あの人の心に少しでも触れたいと思った。
だからこそ、感情のない世界なんて生み出させるわけには、いかなかったんだ。
それが、あの人の夢を壊すことだとしても。
最後の最後まで、わたしはあの人の敵だった。
近づくことさえ、許してはもらえなかった。
そんなわたしには、到底叶えられない願いだったのかもしれない。
でも、それでも。
わたしは、ただ、
あのひとの、笑った顔が見たかった。
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「Lingering attachment」は「未練」の意。(のはず)
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